甲状腺・副甲状腺手術の基本手技

「はじめに」甲状腺・副甲状腺手術の基本は, 頸部の膜解剖を理解することが重要で, 筋膜(fascia)の剥離操作を上手く行えば, 出血は少なく, 手術時間も短縮することができる. さらに甲状腺・副甲状腺手術の重要なポイントである反回神経や副甲状腺を見つけることも容易となる. 熟練した外科医はこの膜解剖を熟知しているのが常であり, 経験の浅い術者はこの筋膜(fascia)が認識できないため, 無駄な出血が多くなり, 手術時間も長くなる. 甲状腺・副甲状腺手術は, 頭頸部外科医の登竜門とも言うべき手術で, 若手医師にとってこの術式をマスターすることは非常に重要である. 手術の手順としては, 1)...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 7; pp. 928 - 931
Main Author 家根, 旦有
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.07.2018
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.121.928

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Summary:「はじめに」甲状腺・副甲状腺手術の基本は, 頸部の膜解剖を理解することが重要で, 筋膜(fascia)の剥離操作を上手く行えば, 出血は少なく, 手術時間も短縮することができる. さらに甲状腺・副甲状腺手術の重要なポイントである反回神経や副甲状腺を見つけることも容易となる. 熟練した外科医はこの膜解剖を熟知しているのが常であり, 経験の浅い術者はこの筋膜(fascia)が認識できないため, 無駄な出血が多くなり, 手術時間も長くなる. 甲状腺・副甲状腺手術は, 頭頸部外科医の登竜門とも言うべき手術で, 若手医師にとってこの術式をマスターすることは非常に重要である. 手術の手順としては, 1) 皮膚切開および皮弁挙上, 2) 前頸筋の処理, 3) 甲状腺上極の処理, 4) 反回神経の処理が主なポイントになる. 本稿では主に甲状腺手術について解説する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.928