人工股関節術後の熱型,血液検査所見の推移

「はじめに」人工股関節全置換術(以下THA)患者における感染症早期発見を目的とした熱型, 血液検査所見の術後推移についての報告は散見される. しかし, これらの報告を検討すると, 条件がさまざまで, 且つ, 症例数が少ないために, その結果にはばらつきがある. そこで我々は条件を一定として, 検査所見に年齢による差がないかを調査した. 対象 2002年-2003年に当院でprimary THAを行った症例のうち, 片側例で, 術後2週以内に血液検査を3回以上行った157例を対象とした. これらを70歳以上の高齢者群62例(男性11例, 女性51例)と, 70歳未満の若年者群98例(男性9例,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 4; pp. 776 - 778
Main Authors 河野, 俊介, 佛淵, 孝夫, 重松, 正森, 丸野, 暢彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2005
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.54.776

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Summary:「はじめに」人工股関節全置換術(以下THA)患者における感染症早期発見を目的とした熱型, 血液検査所見の術後推移についての報告は散見される. しかし, これらの報告を検討すると, 条件がさまざまで, 且つ, 症例数が少ないために, その結果にはばらつきがある. そこで我々は条件を一定として, 検査所見に年齢による差がないかを調査した. 対象 2002年-2003年に当院でprimary THAを行った症例のうち, 片側例で, 術後2週以内に血液検査を3回以上行った157例を対象とした. これらを70歳以上の高齢者群62例(男性11例, 女性51例)と, 70歳未満の若年者群98例(男性9例, 女性89例)の2群に分け比較した. THAは全例同一術者, 同一機種(京セラAMSカップおよびPer Fix Stem)で行った. 検討項目 熱型を術前から術後14日まで調べた. 白血球, CRP値を術前, 術後1日, 術後1週, 術後2週の時点で調査した. また, 出血量, Dorr分類(TypeA-C), 輸血の有無に関しても各群に分けて検討した. 結果 年齢別に比較すると, 術後の発熱は高齢者群では3日間持続する症例が多かったが, 若年者群では多くの症例が2日間で平熱となっていた(Fig.1).
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.54.776