腰椎椎間関節嚢腫に対する内視鏡下摘出術の経験

今回, 我々は脊柱管内に発生した椎間関節嚢腫を内視鏡下に切除した. 術中, 合併症も無く安全に摘出可能であった. 術後, 不安定性の出現は無いが, 反対側に新たな嚢腫の出現を認めた. 術前より椎間関節の変性があり, もともと嚢腫を形成しやすい病態が存在していたと考えられる. 「はじめに」脊柱管内嚢腫性病変はMRIの普及に伴い診断も比較的容易となり, 近年椎間関節嚢腫も散見されるようになった. 治療法としては, まずは保存的療法が原則だが難治性のものに対しては椎弓切除術, 椎間開窓術といった観血的療法が行われている. その中で内視鏡を応用し良好な成績を得たという報告もあり5), 今回我々も内視鏡...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 3; pp. 431 - 434
Main Authors 武富, 栄二, 恒吉, 康弘, 石堂, 康弘, 砂原, 伸彦, 米, 和徳, 田邊, 史, 松山, 金寛, 尾辻, 正樹, 井尻, 幸成, 山元, 拓哉, 小宮, 節郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.57.431

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Summary:今回, 我々は脊柱管内に発生した椎間関節嚢腫を内視鏡下に切除した. 術中, 合併症も無く安全に摘出可能であった. 術後, 不安定性の出現は無いが, 反対側に新たな嚢腫の出現を認めた. 術前より椎間関節の変性があり, もともと嚢腫を形成しやすい病態が存在していたと考えられる. 「はじめに」脊柱管内嚢腫性病変はMRIの普及に伴い診断も比較的容易となり, 近年椎間関節嚢腫も散見されるようになった. 治療法としては, まずは保存的療法が原則だが難治性のものに対しては椎弓切除術, 椎間開窓術といった観血的療法が行われている. その中で内視鏡を応用し良好な成績を得たという報告もあり5), 今回我々も内視鏡下に椎間関節嚢腫を摘出した1例を経験したので報告する. 症例 【症例】67歳, 男性 主訴:左下肢痛, 歩行困難 既往歴:平成6年頚椎後縦靭帯骨化症に対し椎弓形成術 現病歴:平成18年10月, 右下肢痛が出現し近医を受診した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.431