鎖骨遠位端骨折の治療経験

「はじめに」烏口鎖骨靱帯断裂を合併した鎖骨遠位端骨折は, 保存的治療では骨折部の整復保持が困難であり, 偽関節となりやすいため観血的治療の適応である. 当院では原則として鎖骨遠位端骨折に対してK-wireによる固定を行っている. 今回それらの症例について検討したので報告する. 対象および方法 対象は1997年1月から2001年6月までに当院にて観血的治療を行った鎖骨遠位端骨折23例である. 男性19例, 女性4例, 右9例, 左14例, 年齢は18才-78才, 平均46.7才であった. 受傷原因は交通事故13例, 転落2例, 転倒5例, スポーツ2例, 殴打1例であった. 術後観察期間は2ケ月...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 2; pp. 394 - 398
Main Authors 北村, 貴弘, 原, 俊彦, 中島, 聡, 仙波, 英之, 前川, 正幸, 加茂, 洋志, 白仁田, 厚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.394

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Summary:「はじめに」烏口鎖骨靱帯断裂を合併した鎖骨遠位端骨折は, 保存的治療では骨折部の整復保持が困難であり, 偽関節となりやすいため観血的治療の適応である. 当院では原則として鎖骨遠位端骨折に対してK-wireによる固定を行っている. 今回それらの症例について検討したので報告する. 対象および方法 対象は1997年1月から2001年6月までに当院にて観血的治療を行った鎖骨遠位端骨折23例である. 男性19例, 女性4例, 右9例, 左14例, 年齢は18才-78才, 平均46.7才であった. 受傷原因は交通事故13例, 転落2例, 転倒5例, スポーツ2例, 殴打1例であった. 術後観察期間は2ケ月-1年3ケ月(平均6.3ケ月)であった. 骨折型分類はCraig分類2)に従った. I型3例, IIA2例, IIB11例, V型7例であった. 受傷から手術までの期間は2日から15日で平均7.4日であった. 手術方法は肩峰より刺入し肩鎖関節を通してK-wire固定を行ったもの(経肩峰固定)15例, うちtension band wiringを併用したもの4例, 肩鎖関節を通さず末梢骨片からのK-wire固定を行ったもの8例, うちtension band wiringを併用したもの5例であった. K-wireは径1.8mmまたは2.0mmを使用した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.394