放射線治療後に内頸動脈仮性動脈瘤を発症した1症例

上咽頭癌はわが国では40~60歳代に好発し, 男性にやや多い悪性腫瘍である.その解剖学的特徴より, 放射線治療が治療の核をなす1). 放射線治療の後期合併症として, まれに内頸動脈仮性動脈瘤を形成することがあり, 破裂により致命的となる. われわれは上咽頭癌に対し放射線治療を行った既往のある75歳男性の内頸動脈仮性動脈瘤の症例を経験した. 鼻出血で発症し, 大量出血を認めたがAngiography下コイル塞栓術により救命し得た. この合併症はまれではあるが突然破裂することで致命的となるため, 常に念頭におき放射線治療を行うべきであると考える....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 116; no. 5; pp. 606 - 611
Main Authors 坂田, 義治, 宮原, 裕, 笹井, 久徳, 鎌倉, 綾, 中村, 恵, 花田, 有紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.05.2013
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.116.606

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Summary:上咽頭癌はわが国では40~60歳代に好発し, 男性にやや多い悪性腫瘍である.その解剖学的特徴より, 放射線治療が治療の核をなす1). 放射線治療の後期合併症として, まれに内頸動脈仮性動脈瘤を形成することがあり, 破裂により致命的となる. われわれは上咽頭癌に対し放射線治療を行った既往のある75歳男性の内頸動脈仮性動脈瘤の症例を経験した. 鼻出血で発症し, 大量出血を認めたがAngiography下コイル塞栓術により救命し得た. この合併症はまれではあるが突然破裂することで致命的となるため, 常に念頭におき放射線治療を行うべきであると考える.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.116.606