舟状骨偽関節による長母指屈筋腱皮下断裂の1症例

舟状骨偽関節が原因と考えられた長母指屈筋腱皮下断裂の1症例を経験した.症例は53歳,男性.右手のむくみ感,違和感を感じた後,右母指IP関節の屈曲が不能となった.中学生時に右手関節外傷の既往があるが放置していた.X線画像では舟状骨の偽関節が認められた.理学所見とMRIから長母指屈筋腱断裂と診断した.MRIは診断に非常に有用であった.手術は,舟状骨遠位骨片摘出と長掌筋腱の腱移植を行った.結果は,可動域制限が残ったものの,ピンチ力の改善によって,患者の高い満足度が得られた.今回我々は,腱移植と舟状骨遠位骨片摘出を行ったが,遠位骨片摘出については母指の短縮,ピンチ力の低下など今後の経過を診ていく必要が...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 4; pp. 533 - 535
Main Authors 田村, 裕昭, 本山, 達男, 川嶌, 眞人, 南, 達也, 川嶌, 眞之, 佐々木, 誠人, 古江, 幸博, 永芳, 郁文, 後藤, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2007
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.56.533

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Summary:舟状骨偽関節が原因と考えられた長母指屈筋腱皮下断裂の1症例を経験した.症例は53歳,男性.右手のむくみ感,違和感を感じた後,右母指IP関節の屈曲が不能となった.中学生時に右手関節外傷の既往があるが放置していた.X線画像では舟状骨の偽関節が認められた.理学所見とMRIから長母指屈筋腱断裂と診断した.MRIは診断に非常に有用であった.手術は,舟状骨遠位骨片摘出と長掌筋腱の腱移植を行った.結果は,可動域制限が残ったものの,ピンチ力の改善によって,患者の高い満足度が得られた.今回我々は,腱移植と舟状骨遠位骨片摘出を行ったが,遠位骨片摘出については母指の短縮,ピンチ力の低下など今後の経過を診ていく必要があると考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.56.533