重心動揺計の適応と実際

「1. はじめに」重心動揺検査は, 臨床での平衡機能検査として広く利用されるようになっている. 通常この検査を重心動揺検査と呼ぶが, 診療報酬上は「重心動揺計」と記載されている. 理由はさておき, 以前から臨床検査としての評価が難しいとのご意見を伺うことが多かった. 重心動揺検査は, 体平衡機能検査として体重心の動き, つまり足圧中心(Center of pressure : COP)が身体姿勢制御時に移動する状態を記録解析して評価する検査法である. 姿勢制御記録が解析指標の図・数値化された結果として意味合いをつかむことが難しく感じられるものと思われるが, 臨床検査としての役割を説明したい....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 119; no. 7; pp. 980 - 981
Main Author 山本, 昌彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.07.2016
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:「1. はじめに」重心動揺検査は, 臨床での平衡機能検査として広く利用されるようになっている. 通常この検査を重心動揺検査と呼ぶが, 診療報酬上は「重心動揺計」と記載されている. 理由はさておき, 以前から臨床検査としての評価が難しいとのご意見を伺うことが多かった. 重心動揺検査は, 体平衡機能検査として体重心の動き, つまり足圧中心(Center of pressure : COP)が身体姿勢制御時に移動する状態を記録解析して評価する検査法である. 姿勢制御記録が解析指標の図・数値化された結果として意味合いをつかむことが難しく感じられるものと思われるが, 臨床検査としての役割を説明したい. 「2. 重心動揺の意味」立位姿勢のCOPは, 時間経過とともに位置が変化する. 重心動揺検査法の基準は日本めまい平衡医学会から示されているので省略するが, 60秒間の記録を開眼・閉眼で行う. 直立姿勢は基本的な静的姿勢の一つであるが, 静止しているのではなく絶えず姿勢を維持する制御によって小さい身体の揺れ(偏倚と立ち直り)が生じている.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.119.980