伝統医学の「氣」の意義について

伝統医学とはただ長い歴史を持つ医学というだけではなく, その間に必要に応じて改良・発展しながら伝承されてきた医学と理解し, それを我が国にみるとき漢方薬と同時に鍼灸療法がある. その原点である「黄帝内経素問・霊枢」は中国で書かれている. その中に他の医学にみる事が出来ない独特の考え方の「氣」がある. この「氣」という言葉は世界に類を見ないほど広範に使用され, その上曖昧模糊とした意味を持っており, しかもそれがこの医学の基本的根幹をなす考えであるだけに, この医学を理解する上で「氣」の持つ重要性と同時に困難性がある. 今回は「黒田源次」著の「氣の研究」の一部と現代の「氣」についての二三の著書を...

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Bibliographic Details
Published in日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 23; no. 3; pp. 1 - 5
Main Author 田山, 文隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 1995
日本良導絡神経学会
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ISSN0286-1631
1884-9253
DOI10.17119/ryodoraku1971.23.3_1

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Summary:伝統医学とはただ長い歴史を持つ医学というだけではなく, その間に必要に応じて改良・発展しながら伝承されてきた医学と理解し, それを我が国にみるとき漢方薬と同時に鍼灸療法がある. その原点である「黄帝内経素問・霊枢」は中国で書かれている. その中に他の医学にみる事が出来ない独特の考え方の「氣」がある. この「氣」という言葉は世界に類を見ないほど広範に使用され, その上曖昧模糊とした意味を持っており, しかもそれがこの医学の基本的根幹をなす考えであるだけに, この医学を理解する上で「氣」の持つ重要性と同時に困難性がある. 今回は「黒田源次」著の「氣の研究」の一部と現代の「氣」についての二三の著書を要約紹介し, その上で「氣」の語源から今日的解釈までを筆者なりに簡略に述べ, 古典の理解に役立つように心掛け, その意義に触れてみたい.
ISSN:0286-1631
1884-9253
DOI:10.17119/ryodoraku1971.23.3_1