内反肘に伴う肘関節後外側回旋不安定症の一例
「はじめに」内反肘に肘関節後外側回旋不安定症(Postero-lateral rotatory instability以下PLRI)を伴った症例を経験したので報告する. 症例 35歳の男性, 主訴は左肘関節伸展時の不安定感であった. 生後9カ月頃テーブルより転落し左肘部をぶつけ近医を受診した. 左肘部骨折を指摘され(詳細は不明), ギプス固定を受けたが一週間で抜けてしまい, 以後放置されていた. 5歳頃より, 跳び箱など手をつく動作などで左肘関節の不安定感を自覚していた. 複数の病院を受診したが治療困難とされ, 35歳時に当科を初診した. 当科初診時, 肘関節は左内反5°(右外反20°), Y...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; pp. 371 - 376 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2004
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.53.371 |
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Summary: | 「はじめに」内反肘に肘関節後外側回旋不安定症(Postero-lateral rotatory instability以下PLRI)を伴った症例を経験したので報告する. 症例 35歳の男性, 主訴は左肘関節伸展時の不安定感であった. 生後9カ月頃テーブルより転落し左肘部をぶつけ近医を受診した. 左肘部骨折を指摘され(詳細は不明), ギプス固定を受けたが一週間で抜けてしまい, 以後放置されていた. 5歳頃より, 跳び箱など手をつく動作などで左肘関節の不安定感を自覚していた. 複数の病院を受診したが治療困難とされ, 35歳時に当科を初診した. 当科初診時, 肘関節は左内反5°(右外反20°), Yamamoto5)の方法により内旋20°の変形を認め, 可動域は, 左伸展5°/屈曲135°(右伸展5°/屈曲140°)であった(図1-a,b,c). なお, 全身の関節弛緩性は認めなかった. 単純X線像では左肘関節は内反は3°(右外反20°)であり, 肘頭尺側偏位と橈骨頭肥大を認めた(図2-a,b,c). 断層X線側面像では, 右に比べて左は滑車切痕曲率が増大していた(図3-a,b). 肘関節内反ストレスX線像では, 右側に動揺性を認めなかったのに対して, 左肘関節に20°の内反動揺性を認めた(図4a,b). |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.53.371 |