麻酔説明関連文書の比較

これまで麻酔科領域におけるインフォームドコンセントを得る上での「麻酔説明関連文書」の重要性に着目し,日独の病院間の比較を行ってきた.この経験をもとに,吹田市民病院においても「麻酔説明関連文書」の導入を開始した.導入にあたっては,「麻酔説明文書の事前配布,麻酔前回診と同意書提出の間に時間をおく」など「患者・家族が説明を理解した上で同意できる」よう配慮した.「麻酔が原因と考えられる偶発症発症率の公表」は麻酔同意の拒否につながるかとも懸念したが,むしろ麻酔への理解を深めるのに貢献した.今後の検討課題として,「各麻酔科学会認定病院における偶発症発症率の公表,患者への個別的対応」等があげられる....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 5; pp. 799 - 806
Main Author 嶋田, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2011
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.31.799

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Summary:これまで麻酔科領域におけるインフォームドコンセントを得る上での「麻酔説明関連文書」の重要性に着目し,日独の病院間の比較を行ってきた.この経験をもとに,吹田市民病院においても「麻酔説明関連文書」の導入を開始した.導入にあたっては,「麻酔説明文書の事前配布,麻酔前回診と同意書提出の間に時間をおく」など「患者・家族が説明を理解した上で同意できる」よう配慮した.「麻酔が原因と考えられる偶発症発症率の公表」は麻酔同意の拒否につながるかとも懸念したが,むしろ麻酔への理解を深めるのに貢献した.今後の検討課題として,「各麻酔科学会認定病院における偶発症発症率の公表,患者への個別的対応」等があげられる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.799