癌の脊椎転移によるADL障害に対する手術治療成績

【はじめに】癌患者において脊椎転移のため疼痛や神経麻痺を生じADLが著しく障害されることをしばしば見受ける.今回当科において癌の脊椎転移に対し手術治療を施行した症例のADL障害を評価し報告する.【対象と方法】対象は2005年5月から2007年11月に癌の脊椎転移に対し手術を行った10症例.適応は徳橋の術前予後判定法を参考に決定.手術方法は徳橋のスコアリングに従い決定し,術前,術後のFrankel分類,Performance statusを評価した.【結果】術後,全症例においてFrankel分類,Performance statusによる評価で改善を認めた.生存中の歩行可能期間は8症例が術後生存...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 3; pp. 394 - 398
Main Authors 西川, 和孝, 今澤, 良精, 河村, 誠一, 瀬尾, 健一, 佐々木, 伸一, 松本, 善企
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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Summary:【はじめに】癌患者において脊椎転移のため疼痛や神経麻痺を生じADLが著しく障害されることをしばしば見受ける.今回当科において癌の脊椎転移に対し手術治療を施行した症例のADL障害を評価し報告する.【対象と方法】対象は2005年5月から2007年11月に癌の脊椎転移に対し手術を行った10症例.適応は徳橋の術前予後判定法を参考に決定.手術方法は徳橋のスコアリングに従い決定し,術前,術後のFrankel分類,Performance statusを評価した.【結果】術後,全症例においてFrankel分類,Performance statusによる評価で改善を認めた.生存中の歩行可能期間は8症例が術後生存期間の7割以上の期間歩行可能であった.【考察と結語】多くの報告と同様に手術を行った全症例で麻痺の改善,ADLの向上を速やかに認めた.10症例中8症例が自宅療養となり価値の大きい治療であると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.58.394