外傷性分離 · すべりを伴う頚椎 · 頸髄損傷の治療経験

「はじめに」脊椎分離すべり症の国際分類上, 外傷性分離すべり症は規定されている. しかし, 頚椎外傷において, traumatic spondylolisthesisはいわゆる Hangman骨折をさし, 中下位頚椎での報告は少ない. 当センターにて経験した外傷性分離, すべりに対し, その画像的, 臨床的特徴を報告する. 「対象及び方法」当センターに3D-CTが導入された平成6年1月より平成13年1月までに手術を行った, 頚椎, 頸髄損傷244例中, CTにて椎弓根骨折(以下PFと略す)を確認した8例を対象とした. 男性7例, 女性1例, 受傷時平均年齢39(20~62才)才. これらの症例...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 4; pp. 875 - 879
Main Authors 森, 英治, 上崎, 典雄, 大田, 秀樹, 加治, 浩三, 弓削, 至, 芝, 啓一郎, 植田, 尊善
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.51.875

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Summary:「はじめに」脊椎分離すべり症の国際分類上, 外傷性分離すべり症は規定されている. しかし, 頚椎外傷において, traumatic spondylolisthesisはいわゆる Hangman骨折をさし, 中下位頚椎での報告は少ない. 当センターにて経験した外傷性分離, すべりに対し, その画像的, 臨床的特徴を報告する. 「対象及び方法」当センターに3D-CTが導入された平成6年1月より平成13年1月までに手術を行った, 頚椎, 頸髄損傷244例中, CTにて椎弓根骨折(以下PFと略す)を確認した8例を対象とした. 男性7例, 女性1例, 受傷時平均年齢39(20~62才)才. これらの症例に対し, 単純X線, 3D-CTにて画像診断を行い, 脱臼骨折型とflexion-tear-drop型に分け, PFの部位と転位椎体との関係, 術後alignmentを調査した. 又, 麻痺は改良型Frankel分類にて評価した. 「結果」手術を行った頚椎, 頸髄損傷244例中8例(2.9%)が外傷性分離すべりであった. 骨傷型では脱臼骨折型169例中4例(2.4%), flexion-tear-drop型34例中4例(11.8%)であった. 受傷原因は交通事故6例, 高所転落2例であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.51.875