管理栄養士養成課程4年生におけるクリティカルシンキング志向性関連要因の検討
【目的】クリティカルシンキング(CT)は管理栄養士にも必要とされる。管理栄養士養成課程4年生のCT志向性に関連する要因を明らかにする。 【方法】2012年度にA大学管理栄養士養成課程の2年に在籍していた女子107人を解析対象に,自記式質問紙(CT志向性尺度,学習への動機づけ尺度,大学生活経験尺度,家庭環境,高校時代に好きだった科目等)による調査を2年次・4年次の2回実施した。4年次のCT志向性関連要因は,各領域別得点を中央値で2分割して2値変数とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した。 【結果】高校時代に好きだった科目で調整しても,4年次の [真正性]は,2年次に大学での学習に[利用価...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 75; no. 2; pp. 68 - 79 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
2017
日本栄養改善学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.75.68 |
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Summary: | 【目的】クリティカルシンキング(CT)は管理栄養士にも必要とされる。管理栄養士養成課程4年生のCT志向性に関連する要因を明らかにする。 【方法】2012年度にA大学管理栄養士養成課程の2年に在籍していた女子107人を解析対象に,自記式質問紙(CT志向性尺度,学習への動機づけ尺度,大学生活経験尺度,家庭環境,高校時代に好きだった科目等)による調査を2年次・4年次の2回実施した。4年次のCT志向性関連要因は,各領域別得点を中央値で2分割して2値変数とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した。 【結果】高校時代に好きだった科目で調整しても,4年次の [真正性]は,2年次に大学での学習に[利用価値],[興味価値],[私的獲得価値]などの価値を見出していた者で,OR 3.63(95%CI:1.54~8.55),3.65(1.53~8.70),3.48(1.44~8.42)と有意に高かった。[他の理解]は,学習への動機づけで[興味価値]が高かった者,大学生活で[ディスカッション][他者からの影響]を多く経験した者のORが,それぞれ3.23(1.40~7.39),2.57(1.13~5.85),2.49(1.10~5.64)と有意に高かった。 【結論】大学での学習への動機づけを強化し,ディスカッション等を多く経験させることによって,管理栄養士養成課程4年生のCT志向性を高められる可能性がある。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.75.68 |