金属アレルギー症例に対する整形外科手術治療の検討

整形外科手術における症候性金属アレルギーは稀だが,発症すると重篤な合併症となりうる.膝周囲の手術加療で金属アレルギーと診断された19例26膝を経験し,変形性膝関節症15例22膝,前十字靱帯損傷3例,下腿骨折1例であった.術前に判明した症例および術式は人工膝関節置換術12例19膝,前十字靱帯再建術1例,脛骨プラトー骨折骨接合1例であった.術後に発症した症例は人工膝関節置換術(TKA)2例,片側仮骨延長法1例であった.金属アレルギー陽性例はTKAではJMM Bi-Surface KU4+(非金属製),靱帯再建ではセラミックボタン,骨接合にはパッチテスト陰性のチタンピンを使用した.術後に発症した症例...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 2; pp. 312 - 317
Main Authors 森, 達哉, 王寺, 享弘, 松田, 秀策
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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Summary:整形外科手術における症候性金属アレルギーは稀だが,発症すると重篤な合併症となりうる.膝周囲の手術加療で金属アレルギーと診断された19例26膝を経験し,変形性膝関節症15例22膝,前十字靱帯損傷3例,下腿骨折1例であった.術前に判明した症例および術式は人工膝関節置換術12例19膝,前十字靱帯再建術1例,脛骨プラトー骨折骨接合1例であった.術後に発症した症例は人工膝関節置換術(TKA)2例,片側仮骨延長法1例であった.金属アレルギー陽性例はTKAではJMM Bi-Surface KU4+(非金属製),靱帯再建ではセラミックボタン,骨接合にはパッチテスト陰性のチタンピンを使用した.術後に発症した症例は,全て保存的加療で軽快した.整形外科領域において金属性内固定材を使用する場合,金属アレルギーの有無を問診し,既往があればパッチテストなど精査が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.312