小児の環軸椎回旋位固定に対する治療経験

「はじめに」環軸椎回旋位固定(Atlantoaxial rotatory fixation:以下AARF)は小児, 特に5-15歳に好発し, 有痛性斜頚を主徴とする疾患である. 原因は不明のことが多いが, 軽微な外傷や上気道感染, 口腔 咽頭の手術を契機に発症するとされている. 今回我々は, 小児の環軸椎回旋位固定11例に対する治療を経験したので, 若干の文献的考察を加え, 報告する. 対象 平成1年1月から平成14年6月の間に, 当科にてAARFと診断された11例(男5例, 女6例)を対象とした. 年齢は4-8歳(平均6歳)であり, 発症から当院受診までの期間は0-13日(平均5.1日)であ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 3; pp. 549 - 552
Main Authors 岡田, 文, 黒瀬, 眞之輔, 齊藤, 太一, 犀川, 勲, 入江, 努, 木村, 慎吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
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Summary:「はじめに」環軸椎回旋位固定(Atlantoaxial rotatory fixation:以下AARF)は小児, 特に5-15歳に好発し, 有痛性斜頚を主徴とする疾患である. 原因は不明のことが多いが, 軽微な外傷や上気道感染, 口腔 咽頭の手術を契機に発症するとされている. 今回我々は, 小児の環軸椎回旋位固定11例に対する治療を経験したので, 若干の文献的考察を加え, 報告する. 対象 平成1年1月から平成14年6月の間に, 当科にてAARFと診断された11例(男5例, 女6例)を対象とした. 年齢は4-8歳(平均6歳)であり, 発症から当院受診までの期間は0-13日(平均5.1日)であった, 誘因としては, 明らかな上気道感染が3例にあり, うち1例は軽微外傷を合併していた. したがって純粋にGrisel症候群2)と考えられた症例は2例であった. 明らかな外傷としての自動車事故が1例, 原因不明であったものが4例であった(表1). 結果 最終経過観察時全例において良好な整復位が得られていた. 外来での斜頚位矯正後にカラー固定のみにて治療した症例が8例であった. 残りの3例においては入院後全麻下に徒手整復を行い, そのうちの2例において整復後カラー固定を, 自動車事故により発症した1例についてはハローベスト装着を行った.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.549