大腿骨頚部骨折術後に大腿骨骨幹部骨折を来たした症例

「はじめに」大腿骨頚部骨折に対する手術療法は, 多くの症例において安定した成績が得られている. しかし, cut outや過度のslidingなどの術後合併症の報告も見られる. 中でも術後に発生する大腿骨骨幹部骨折はGamma nail typeに多く, 問題となっている. 今回, 我々が経験した大腿骨頚部骨折術後に同側の大腿骨骨幹部骨折を発生した4例について, 受傷時期, 一次骨折の手術法, 二次骨折の治療法など文献的考察を加え報告する. 症例 症例は1999年1月から2001年6月の期間中, 大腿骨頚部骨折術後に同側の大腿骨骨幹部骨折を受傷した4例である. 年齢68-91歳で全例女性であっ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; pp. 358 - 362
Main Authors 高田, 興志, 鶴上, 浩, 稲葉, 大輔, 水本, 圭彦, 越智, 龍弥, 福田, 朋博, 中野, 哲雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.358

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Summary:「はじめに」大腿骨頚部骨折に対する手術療法は, 多くの症例において安定した成績が得られている. しかし, cut outや過度のslidingなどの術後合併症の報告も見られる. 中でも術後に発生する大腿骨骨幹部骨折はGamma nail typeに多く, 問題となっている. 今回, 我々が経験した大腿骨頚部骨折術後に同側の大腿骨骨幹部骨折を発生した4例について, 受傷時期, 一次骨折の手術法, 二次骨折の治療法など文献的考察を加え報告する. 症例 症例は1999年1月から2001年6月の期間中, 大腿骨頚部骨折術後に同側の大腿骨骨幹部骨折を受傷した4例である. 年齢68-91歳で全例女性であった. 一次骨折型は大腿骨転子部骨折2例, 大腿骨転子下骨折1例, 大腿骨頚部内側骨折1例であった. 一次骨折の治療は, 転子部および転子下骨折はGamma nail typeで, 頚部内側骨折に対しては, Ti-CHS, C-CHSを用いて骨接合術を行われていた. 二次骨折の受傷機転は全例転倒であった. 二次骨折受傷までの期間は, 大腿骨頚部骨折の術後から2例が1ヵ月で, 残り2例が3ヵ月と4ヵ月であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.358