背部弾性線維腫の１手術例

• Published in: 整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 2; pp. 164 - 166
• Main Authors: 浪平, 辰州, 野中, 隆史, 猪俣, 尚規
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 西日本整形・災害外科学会 2006
• Subjects: 病理組織学検査; 背部弾性線維腫; 軟部腫瘍
• ISSN: 0037-1033; 1349-4333
• DOI: 10.5035/nishiseisai.55.164

「はじめに」背部弾性線維腫は, 肩甲骨下部に発生する変性弾性線維の増生が主体の, 良性腫瘍類似病変である. 今回我々はその1手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 症例 症例. 50歳, 男性. 主訴：左肩甲下部の違和感, 疼痛. 出身地：本人, 両親祖父母ともに宮崎県. 家族歴 既往歴：特記すべきことなし. 職業歴：農林業に約30年間従事. 現病歴：約2年間, 左肩甲下部に腫瘤を自覚し, 経過観察していたが増大傾向にあり, 疼痛も増大してきたとして当科初診した. 初診時所見：全身所見に特記すべきことはなかった. 局所所見としては, 左肩甲下部に15×12cm大の表面平滑, 弾性硬, 皮膚との癒着はなく, 可動性のない腫瘤を認めた(図1). 腫瘤は圧痛を伴っていた. 画像所見：CTでは内部はやや不均一で, 骨格筋とほぼ等信号を示す腫瘍性病変を認めた(図2). MRIではT1, T2強調画像ともに腫瘤の内部は不均一ながら骨格筋とほぼ等信号であった. 一部脂肪組織と考えられる高信号領域を認めた(図3), 以上より背部弾性線維腫と診断し, 患者の切除希望が強いため手術施行した.