内容液サイログロブリンが高値であった側頸嚢胞例

側頸部に発生する嚢胞性腫瘤の術前鑑別診断は時に困難であるが, 鑑別診断の方法として, 内容液のアミラーゼ値やサイログロブリン値を測定する試みが報告されている. これまでの報告からは, 側頸嚢胞内容液はアミラーゼ高値でサイログロブリン低値になると示されている. 今回, 内容液アミラーゼ・サイログロブリンがともに高値であった側頸嚢胞の1例を経験した. 病理組織学的免疫染色では TTF-1 陽性・Tg 陰性であった. TTF-1 陽性ならびに内容液サイログロブリン高値であったことから, 側頸嚢胞と甲状腺の間に何らかの発生学的関連があったものと推察された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 121; no. 5; pp. 688 - 692
Main Authors 江口, 紘太郎, 鈴木, 政美, 井田, 翔太, 飯島, 美砂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.05.2018
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:側頸部に発生する嚢胞性腫瘤の術前鑑別診断は時に困難であるが, 鑑別診断の方法として, 内容液のアミラーゼ値やサイログロブリン値を測定する試みが報告されている. これまでの報告からは, 側頸嚢胞内容液はアミラーゼ高値でサイログロブリン低値になると示されている. 今回, 内容液アミラーゼ・サイログロブリンがともに高値であった側頸嚢胞の1例を経験した. 病理組織学的免疫染色では TTF-1 陽性・Tg 陰性であった. TTF-1 陽性ならびに内容液サイログロブリン高値であったことから, 側頸嚢胞と甲状腺の間に何らかの発生学的関連があったものと推察された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.121.688