サイドステップおよびクロスステップによる走方向変換動作のキネマティクス的研究

「I 緒言」球技スポーツでは, 直線を速く走る能力とともに, フェイントのように走方向を素早く変換する能力が要求される. 高松(1991), 田中ほか(1999)は, 球技スポーツ選手では, 直線走のタイムには競技水準による差がみられなかったが, 方向変換走タイムは競技水準の高い方が良かったことを報告している. このように, 球技スポーツにおいては, 走スピードに加え, 走方向を変換する能力が選手の競技水準を左右する要素の1つであるとされている(田中ほか, 1999). これまでの方向変換走に関する研究では, 走方向変換技術の指標の1つとして方向変換走のタイムが用いられてきた(瀧井・福井, 1...

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Published in体育学研究 Vol. 55; no. 1; pp. 81 - 95
Main Authors 鈴木, 雄太, 阿江, 通良, 榎本, 靖士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2010
日本体育学会
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Summary:「I 緒言」球技スポーツでは, 直線を速く走る能力とともに, フェイントのように走方向を素早く変換する能力が要求される. 高松(1991), 田中ほか(1999)は, 球技スポーツ選手では, 直線走のタイムには競技水準による差がみられなかったが, 方向変換走タイムは競技水準の高い方が良かったことを報告している. このように, 球技スポーツにおいては, 走スピードに加え, 走方向を変換する能力が選手の競技水準を左右する要素の1つであるとされている(田中ほか, 1999). これまでの方向変換走に関する研究では, 走方向変換技術の指標の1つとして方向変換走のタイムが用いられてきた(瀧井・福井, 1984;米田, 1988). 一方, 方向変換走のタイムは直線走能力, 下肢筋力, 走方向変換技術などの影響を受けるため(Young et al., 2002), 方向変換走のタイムのみでは走方向変換技術を十分に評価することは困難であると考えられる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.09038