自己免疫性膵炎の膵外合併症

• Published in: 膵臓 Vol. 21; no. 4; pp. 378 - 380
• Main Authors: 大原, 弘隆, 中沢, 貴宏, 佐野, 仁, 安藤, 朝章, 岡本, 哲, 高田, 博樹, 林, 香月, 喜多島, 康弘, 中尾, 春壽, 城, 卓志
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本膵臓学会 2006
• ISSN: 0913-0071; 1881-2805
• DOI: 10.2958/suizo.21.378

背景と目的 自己免疫性膵炎(以下AIP)の疾患概念が普及するにつれて唾液腺炎, 硬化性胆管炎などの膵以外の全身の諸臓器に様々な疾患が合併することが報告されている1～3). 自験例のAIP 31例における膵外合併症を検討しさらに, 膵外合併症を有した症例と有しない症例の違いを明らかにすることを目的とする. 方法 自験例における膵外合併症(硬化性胆管炎を除く)の特徴を検討し, さらに膵外合併症を有した症例と有しない症例において, ステロイドの維持療法の必要性, 年齢, 性, 画像的特徴, 血液生化学データを比較した. 次に国内外の文献により膵外合併症の頻度を検討した. 結果と考察 自験例における膵外合併症:自験例のAIP 31例中膵外合併症を8例に認めた. 両側顎下腺の腫脹を4例に, 紫斑病を3例に, 後腹膜線維症を2例に, 肺線維症, 自己免疫性感音性難聴, 縦隔リンパ節腫脹, 頚部リンパ節腫脹をそれぞれ1例ずつ認めた(重複あり). 8例中7例において膵外合併症はAIPの発症と同時に発症したが, 1例は異時性に多彩な疾患を合併した.