当科における無計画切除後に追加広範切除を行った粘液線維肉腫の治療成績

当科では軟部肉腫の無計画切除後の症例に対し，追加広範切除術を行っている．今回，粘液線維肉腫に対して行われた無計画切除（UE）後に当科にて追加広範切除を施行した群（UE群）と初回から広範切除を行った群（非UE群）を後方視的に比較解析した．【対象】対象は，2004年9月～2019年9月に当科で手術を行った26例（UE群8例，非UE群18例）である．検討項目は性別，年齢，腫瘍最大径，当院切除後の断端評価，局所再発の有無，遠隔転移の有無とし，二群間比較を行った．【結果】断端陽性はUE 0例（0％），非UE 3例（16.7％），再発はUE 3例（37.5％），非UE 3例（16.7％），転移はUE 3例...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 737 - 739
Main Authors 大西, 啓志朗, 増田, 裕介, 佐々木, 裕美, 篠原, 直弘, 永野, 聡, 谷口, 昇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
Subjects
無計画切除
粘液線維肉腫
軟部肉腫
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Summary:当科では軟部肉腫の無計画切除後の症例に対し，追加広範切除術を行っている．今回，粘液線維肉腫に対して行われた無計画切除（UE）後に当科にて追加広範切除を施行した群（UE群）と初回から広範切除を行った群（非UE群）を後方視的に比較解析した．【対象】対象は，2004年9月～2019年9月に当科で手術を行った26例（UE群8例，非UE群18例）である．検討項目は性別，年齢，腫瘍最大径，当院切除後の断端評価，局所再発の有無，遠隔転移の有無とし，二群間比較を行った．【結果】断端陽性はUE 0例（0％），非UE 3例（16.7％），再発はUE 3例（37.5％），非UE 3例（16.7％），転移はUE 3例（37.5％），非UE 2例（11.1％）に認めた．いずれの項目も両群間で有意差は認めなかった．【結論】粘液線維肉腫に対する無計画切除後に可及的早期に追加広範切除を行うことで，再発・転移に関しては初回手術に遜色ない結果を得ることができた．しかし治療転帰に良好に働いているかは定かではなく，今後更なる検討が必要である．
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.737