痙攣発作後に椎体骨折を生じた3例

【背景】壮年までの椎体骨折の原因は転落や交通事故等の高エネルギー外傷が一般的である.比較的稀ではあるが痙攣発作も椎体骨折を生じることがあり見過ごされている場合がある.【症例1】26歳男性.飲酒後に意識消失し,腰痛で搬送されL4破裂骨折を生じた.【症例2】47歳女性.競技観戦中に意識消失発作を伴う痙攣発作を認め,心原性意識消失の精査で循環器科へ搬送されたが,腰痛についても精査した際,L1破裂骨折を認めた.【症例3】59歳男性.精神科病院入院中に痙攣発作を主訴に救急搬送された.両下肢不全麻痺の所見を呈していたが電解質異常の診断で内科的治療が行われていた.1週間後も改善しない為当科コンサルトされL1...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 606 - 610
Main Authors 髙木, 寛, 福田, 和昭, 髙島, 佑輔, 坂本, 佳菜子, 寺本, 周平, 中馬, 東彦, 前田, 智, 福元, 哲也, 橋本, 伸朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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Summary:【背景】壮年までの椎体骨折の原因は転落や交通事故等の高エネルギー外傷が一般的である.比較的稀ではあるが痙攣発作も椎体骨折を生じることがあり見過ごされている場合がある.【症例1】26歳男性.飲酒後に意識消失し,腰痛で搬送されL4破裂骨折を生じた.【症例2】47歳女性.競技観戦中に意識消失発作を伴う痙攣発作を認め,心原性意識消失の精査で循環器科へ搬送されたが,腰痛についても精査した際,L1破裂骨折を認めた.【症例3】59歳男性.精神科病院入院中に痙攣発作を主訴に救急搬送された.両下肢不全麻痺の所見を呈していたが電解質異常の診断で内科的治療が行われていた.1週間後も改善しない為当科コンサルトされL1破裂骨折を認めた.3例とも後方からの整復固定術を行い一定の症状の改善を得た.【考察/結語】痙攣に伴う筋収縮の脊椎の負荷は強大で若年者でも椎体の圧壊が生じ得る.痙攣発作後の腰痛・下肢症状は脊椎疾患を念頭に精査を行う必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.606