小児麻酔におけるリスクマネジメント: 術前評価

小児麻酔における偶発症は新生児・乳児で多く, 麻酔管理が原因となるもののうちでは高度低酸素血症が多いことが特徴である. 小児の術前評価は, 小児特有のリスクを把握し, 偶発症を予防するための最初のステップとしてリスクマネジメント上重要である. 小児の術前評価には小児麻酔や小児についての知識および経験が必要であるが, 麻酔科医, 外科医, 小児科医や看護師などスタッフ間の良好な連携や, 親やこどもとの十分なコミュニケーションとそれを可能にする診察スペースなども重要な役割を果たす. さらに得られた情報を共有し, 発生しうるリスクについて準備, 対応することが事故を予防することにつながると考えられる...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 3; pp. 250 - 257
Main Authors 香川, 哲郎, 鈴木, 毅, 高辻, 小枝子, 大西, 広泰, 池島, 典之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2009
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Summary:小児麻酔における偶発症は新生児・乳児で多く, 麻酔管理が原因となるもののうちでは高度低酸素血症が多いことが特徴である. 小児の術前評価は, 小児特有のリスクを把握し, 偶発症を予防するための最初のステップとしてリスクマネジメント上重要である. 小児の術前評価には小児麻酔や小児についての知識および経験が必要であるが, 麻酔科医, 外科医, 小児科医や看護師などスタッフ間の良好な連携や, 親やこどもとの十分なコミュニケーションとそれを可能にする診察スペースなども重要な役割を果たす. さらに得られた情報を共有し, 発生しうるリスクについて準備, 対応することが事故を予防することにつながると考えられる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.29.250