保存加療にて良好な臨床結果が得られた化膿性破壊性頚椎炎の2例
【はじめに】頭蓋-上位頚椎不安定性を生じた化膿性破壊性頚椎炎に対して,良好な骨癒合と臨床成績が得られた2症例を経験したので報告する.【症例】症例1:85歳女性;切迫呼吸と高度四肢麻痺で緊急搬送された.画像検査にて咽後膿瘍による高度気管および食道の圧迫と上位頚椎骨破壊像を認めた.症例2:77歳男性;内服加療に抵抗性の頚部痛が主訴で搬送となった.画像検査にて咽後膿瘍と上位頚椎骨破壊像を認めた.【結果】2症例とも搬入当日にハローベスト外固定と抗生剤治療を開始した.症例1は,気管切開と切開排膿を施行し,呼吸状態は安定した.最終的に2症例ともハローベスト外固定と抗生剤にて感染鎮静化し,頭蓋-上位頚椎の安...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 775 - 779 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2023
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Summary: | 【はじめに】頭蓋-上位頚椎不安定性を生じた化膿性破壊性頚椎炎に対して,良好な骨癒合と臨床成績が得られた2症例を経験したので報告する.【症例】症例1:85歳女性;切迫呼吸と高度四肢麻痺で緊急搬送された.画像検査にて咽後膿瘍による高度気管および食道の圧迫と上位頚椎骨破壊像を認めた.症例2:77歳男性;内服加療に抵抗性の頚部痛が主訴で搬送となった.画像検査にて咽後膿瘍と上位頚椎骨破壊像を認めた.【結果】2症例とも搬入当日にハローベスト外固定と抗生剤治療を開始した.症例1は,気管切開と切開排膿を施行し,呼吸状態は安定した.最終的に2症例ともハローベスト外固定と抗生剤にて感染鎮静化し,頭蓋-上位頚椎の安定化を認め,独歩退院となった.【考察】2症例とも初期診断と初期治療の遅れで咽後膿瘍と上位頚椎骨破壊像を認めた.MRIおよびCTによる積極的な画像診断が早期診断と早期治療に繋がると考えた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.72.775 |