骨吸収抑制薬投与前の歯科受診

【目的】骨吸収抑制薬(以下AR)投与前の歯科受診の現状について報告すること.【対象と方法】過去4年間に著者が入院加療に関わった脆弱性骨折や悪性腫瘍などの患者のうち,AR投与を目的として歯科受診を行った39例の現状について調査した.【結果】23例(23/39,59.0%)は抜歯適応と診断された.5例(5/39,12.8%)は入院中に抜歯を,5例(5/39,12.8%)は外来フォローし当院もしくは近医で抜歯を,13例(13/39,33.3.%)は当院では治療介入できず,転院先に歯科治療を依頼した.入院中にARを導入可能であったのは,20例(20/39,51.3%)にとどまった.1例(1/39,2....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 595 - 598
Main Authors 井上, 三四郎, 伊藤, 雅樹, 松本, 幸三, 林, 升, 赤木, 栄子, 日高, 汐梨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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Summary:【目的】骨吸収抑制薬(以下AR)投与前の歯科受診の現状について報告すること.【対象と方法】過去4年間に著者が入院加療に関わった脆弱性骨折や悪性腫瘍などの患者のうち,AR投与を目的として歯科受診を行った39例の現状について調査した.【結果】23例(23/39,59.0%)は抜歯適応と診断された.5例(5/39,12.8%)は入院中に抜歯を,5例(5/39,12.8%)は外来フォローし当院もしくは近医で抜歯を,13例(13/39,33.3.%)は当院では治療介入できず,転院先に歯科治療を依頼した.入院中にARを導入可能であったのは,20例(20/39,51.3%)にとどまった.1例(1/39,2.6%)は顎骨壊死となった.【考察】AR投与前に全ての歯科治療は本薬投与開始の2週間前までに終えておくことが望ましいとされるが,入院中ではそのハードルは高い.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.595