大胸筋移行術を併用したリバース型肩関節置換術の治療成績

リバース型人工肩関節は,腱板修復・再建を施行せずとも良好な屈曲の肩関節可動域(以下,ROM)が獲得できる.一方,内・外旋ROM・筋力の改善は限定的である.可及的な腱板修復と大胸筋腱移行を併用したリバース型人工肩関節(以下,RSA)の治療成績を報告する.対象は,腱板断裂性肩関節症・広範囲腱板断裂に伴う偽性麻痺に対しRSAを施行し12カ月以上経過観察が可能であった8例8肩(男性4肩,女性4肩)とした.手術時平均年齢は74.2歳,平均経過観察期間は24.9カ月であった.ROM(屈曲・外旋・内旋),JOAスコア,合併症を調査した.結果は,屈曲(術前/術後)(50°/138°),外旋(20°/35°),...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 3; pp. 495 - 497
Main Authors 金城, 英樹, 山口, 浩, 当真, 孝, 呉屋, 五十八, 森山, 朝裕, 西田, 康太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2023
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Summary:リバース型人工肩関節は,腱板修復・再建を施行せずとも良好な屈曲の肩関節可動域(以下,ROM)が獲得できる.一方,内・外旋ROM・筋力の改善は限定的である.可及的な腱板修復と大胸筋腱移行を併用したリバース型人工肩関節(以下,RSA)の治療成績を報告する.対象は,腱板断裂性肩関節症・広範囲腱板断裂に伴う偽性麻痺に対しRSAを施行し12カ月以上経過観察が可能であった8例8肩(男性4肩,女性4肩)とした.手術時平均年齢は74.2歳,平均経過観察期間は24.9カ月であった.ROM(屈曲・外旋・内旋),JOAスコア,合併症を調査した.結果は,屈曲(術前/術後)(50°/138°),外旋(20°/35°),内旋(JOAスコアを用いて点数化)(2.6点/4.6点),JOAスコアは(術前/術後)(44.1点/82.6点)であり,合併症は認めなかった.RSAは良好なROM,機能改善が得られ,有用な術式と思われた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.495