2又は4位に脱離基を有するピリジニウム及びキノリニウム四級塩類と活性メチレン化合物との反応

2-フェノキシ, 2-クロロ及び2-メチルチオピリジニウム四級塩を用いるインドリジン骨格の構築が報告されている. 1-4)先に我々は, アルキルチオ基を脱離基とするイソキノリニウム(I)及びキノリニウム四級塩(III)と活性メチレン化合物との新規反応を鍵反応とする炭素-炭素結合形成とその成績体を利用したベンゾインドリジン骨格(II)の構築を報告した(Chart 1). 5-7)また, 4-シアノ-2-ピリドン(IV)のDiels-Alder(DA)反応は, DA付加体(V)からシアノ基が脱離し芳香化した成績体(VI)を与えることを報告した(Chart 1). 8-11)そこで, われわれはシア...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 126; no. 2; pp. 99 - 108
Main Authors 藤田, 礼子, 星野, 正人, 東條, 友亮, 木村, 淳史, 本郷, 弘司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.02.2006
日本薬学会
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Summary:2-フェノキシ, 2-クロロ及び2-メチルチオピリジニウム四級塩を用いるインドリジン骨格の構築が報告されている. 1-4)先に我々は, アルキルチオ基を脱離基とするイソキノリニウム(I)及びキノリニウム四級塩(III)と活性メチレン化合物との新規反応を鍵反応とする炭素-炭素結合形成とその成績体を利用したベンゾインドリジン骨格(II)の構築を報告した(Chart 1). 5-7)また, 4-シアノ-2-ピリドン(IV)のDiels-Alder(DA)反応は, DA付加体(V)からシアノ基が脱離し芳香化した成績体(VI)を与えることを報告した(Chart 1). 8-11)そこで, われわれはシアノ基が脱離基として有用であると考え, 炭素-炭素結合形成反応への応用を試みた. 今回, 2-及び4-シアノピリジニウム四級塩類並びにシアノとメチルチオ基という異種の脱離基を有する4-シアノ-2-メチルチオピリジニウム四級塩類と活性メチレン化合物との反応を検討したので報告する. 1. シアノピリジニウム並びにシアノキノリニウム四級塩と活性メチレン化合物の反応 始めに, 2又は4位に脱離基としてシアノ基を有するピリジニウム四級塩類と活性メチレン化合物[マロン酸ジメチル(4a);マロノニトリル(4b);シクロヘキサン-1, 3-ジオン(4c)]との反応がNaH存在下検討された(Chart 2, Table 1).
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.126.99