内視鏡的バルーンカテーテルスポット膵管造影による小膵癌の診断-29症例の解析

「背景と目的」膵癌の治療成績の向上には, 早期診断が必須である. 小膵癌に対する内視鏡的バルーンカテーテルスポット膵管造影(バルーンスポット膵管造影)の診断成績について述べる. 「方法」1984年以来, 小膵癌を発見するために, 閉塞性膵炎の症状や所見を呈した患者に, バルーンスポット膵管造影1)(Fig.1)による膵管精査を行ってきた. 本法は, 1012症例, 1562回施行し, 合併症は軽症で膵炎が1.9%であった2). 「結果と考察」1984年4月~2005年3月間に膵癌と診断された416例中, 切除例は175例. その中, 小膵癌は29例で, 病理組織学的3次元計測により2.0cm以...

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Published in膵臓 Vol. 24; no. 5; pp. 635 - 638
Main Authors 池田, 靖洋, 眞栄城, 兼清, 笠, 普一郎, 緒方, 賢司, 安波, 洋一, 中山, 吉福, 濱田, 義浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2009
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Summary:「背景と目的」膵癌の治療成績の向上には, 早期診断が必須である. 小膵癌に対する内視鏡的バルーンカテーテルスポット膵管造影(バルーンスポット膵管造影)の診断成績について述べる. 「方法」1984年以来, 小膵癌を発見するために, 閉塞性膵炎の症状や所見を呈した患者に, バルーンスポット膵管造影1)(Fig.1)による膵管精査を行ってきた. 本法は, 1012症例, 1562回施行し, 合併症は軽症で膵炎が1.9%であった2). 「結果と考察」1984年4月~2005年3月間に膵癌と診断された416例中, 切除例は175例. その中, 小膵癌は29例で, 病理組織学的3次元計測により2.0cm以下の浸潤性膵癌(TS1)が23例, 膵管内乳頭管状腺癌が3例, 上皮内癌(CIS)が3例であった, 診断の契機は, 急性膵炎10例, 上腹部痛5例, DM3例, 検診(US)3例, 高アミラーゼ血症2例, CA19-91例, 黄疸5例. 急性膵炎が最も多く, アミラーゼand/orエラスターゼI高値が29例中22例(76%)を占めた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.24.635