前腕の皮膚の厚さと骨密度には正の相関関係がある

【背景】骨と皮膚は主たる構成要素がコラーゲン線維という共通点があり,皮膚の厚さと骨粗鬆症や脊椎靭帯骨化重症度に関連がある可能性がある.【目的】エコーでの皮膚の厚みと骨粗鬆症マーカーや脊椎骨化の程度の関連を調査すること.【対象・方法】脊椎手術例53例(男:女=33:20,平均年齢71歳)を対象とした.術前にエコーで手背,前腕腹側,頚椎背側,腰椎背側の皮膚の厚さ,骨密度(%YAM),全脊椎靭帯骨化指数,最終糖化産物(AGEs)を測定し,4部位の皮膚の厚さと調査項目の相関を検討した.【結果】前腕腹側,腰椎背側の皮膚の厚さは腰椎YAM及びAGEsと有意な相関を認めたが,全脊椎靭帯骨化指数と有意な相関は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 864 - 868
Main Authors 岸川, 浩一朗, 森本, 忠嗣, 吉原, 智仁, 江頭, 秀一, 前田, 和政, 園畑, 素樹, 馬渡, 正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【背景】骨と皮膚は主たる構成要素がコラーゲン線維という共通点があり,皮膚の厚さと骨粗鬆症や脊椎靭帯骨化重症度に関連がある可能性がある.【目的】エコーでの皮膚の厚みと骨粗鬆症マーカーや脊椎骨化の程度の関連を調査すること.【対象・方法】脊椎手術例53例(男:女=33:20,平均年齢71歳)を対象とした.術前にエコーで手背,前腕腹側,頚椎背側,腰椎背側の皮膚の厚さ,骨密度(%YAM),全脊椎靭帯骨化指数,最終糖化産物(AGEs)を測定し,4部位の皮膚の厚さと調査項目の相関を検討した.【結果】前腕腹側,腰椎背側の皮膚の厚さは腰椎YAM及びAGEsと有意な相関を認めたが,全脊椎靭帯骨化指数と有意な相関はなかった.【考察】簡便・無侵襲のエコー検査で調査できる前腕腹側,腰椎背側の皮膚の厚さは骨粗鬆症の簡便なバイオマーカーとなる可能性がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.864