あん馬運動における一腕全転向に関する構造体系論的研究
「I 問題の所在」「1. 体操競技における体系論的研究の重要性」体操競技における技の体系論的研究は, 採点においてもトレーニング実践においても極めて重要な意味をもつ. 技にはどんなものがあり, その技はどのような課題から成り立っているのか, あるいは他の類似した技との境界はどこにあるのか, さらにそれらの技はどのような系統に枝分かれし, 相互にどのような関係にあるのかといったことが厳密に確認されなければ, 体操競技における採点の客観性も合理的トレーニングも保証され得ないからである. たとえば競技会の演技において実施された技が採点規則の難度表のどの技にあたるのかを明確に判断できなければ, 技の難...
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Published in | 体育学研究 Vol. 56; no. 1; pp. 31 - 46 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育学会
2011
日本体育学会 |
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Summary: | 「I 問題の所在」「1. 体操競技における体系論的研究の重要性」体操競技における技の体系論的研究は, 採点においてもトレーニング実践においても極めて重要な意味をもつ. 技にはどんなものがあり, その技はどのような課題から成り立っているのか, あるいは他の類似した技との境界はどこにあるのか, さらにそれらの技はどのような系統に枝分かれし, 相互にどのような関係にあるのかといったことが厳密に確認されなければ, 体操競技における採点の客観性も合理的トレーニングも保証され得ないからである. たとえば競技会の演技において実施された技が採点規則の難度表のどの技にあたるのかを明確に判断できなければ, 技の難度判定に混乱が生じて客観的な「演技の採点」(日本体操協会, 2009, p.15)は不可能になる. また, トレーニングする技を選択し習得してゆく順序を決定することは, 選手の競技力向上に直接的に影響する. |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.10019 |