肩関節後方脱臼骨折に対してSuture bridging法が有用であった1例

比較的稀な肩関節後方脱臼に対し,Suture bridging法にて骨接合術を行った一例を報告する.66歳男性,バイク走行中に転倒し受傷.近医に搬送され,Xp,CTにて左肩関節後方脱臼骨折を認めた.同院にて整復後,当院に紹介受診.小結節及び大結節骨片は結節間溝を含め一塊となり前方転位しており,肩関節後方亜脱臼が残存していた.受傷8日後,直視下にSuture bridging法にて骨接合術を行った.術後,肩外転装具を6週間装着し可動域訓練を行った.最終観察時,肩関節可動域は屈曲135°,外転135°,下垂位外旋30°,内旋L2であり,肩関節不安感は認めなかった.JOA scoreは92点と良好な...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 542 - 545
Main Authors 相良, 学, 梶山, 史郎, 松尾, 洋昭, 尾﨑, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2018
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Summary:比較的稀な肩関節後方脱臼に対し,Suture bridging法にて骨接合術を行った一例を報告する.66歳男性,バイク走行中に転倒し受傷.近医に搬送され,Xp,CTにて左肩関節後方脱臼骨折を認めた.同院にて整復後,当院に紹介受診.小結節及び大結節骨片は結節間溝を含め一塊となり前方転位しており,肩関節後方亜脱臼が残存していた.受傷8日後,直視下にSuture bridging法にて骨接合術を行った.術後,肩外転装具を6週間装着し可動域訓練を行った.最終観察時,肩関節可動域は屈曲135°,外転135°,下垂位外旋30°,内旋L2であり,肩関節不安感は認めなかった.JOA scoreは92点と良好な結果を得た.肩関節後方脱臼骨折は比較的まれな外傷であり,骨折型も様々である.本症例は大小結節部が連続したまま転位を来たし,後方亜脱臼が残存していた.結節部の整復固定にSuture bridging法が有用であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.67.542