踵骨アキレス腱付着部骨折7例の検討

踵骨アキレス腱付着部骨折は,骨片による皮膚損傷が問題となり早期手術が必要となることが多いが,固定法に関しては未だ一定のコンセンサスはない.踵骨アキレス腱付着部骨折に対してスクリューとソフトワイヤーを用いて固定を行った3例[SA群]とsuture bridge法で手術を行った4例[SB群]計7例について報告する.荷重開始までに要した期間はSA群では5-6週間,SB群では術後2-3週であった.またSA群では1例に骨折部再転位,もう1例に骨折部遠位での再骨折を認めた.最終的には全例で骨癒合を得られ,皮膚壊死を起こさず経過した.踵骨アキレス腱付着部骨折では,術後の皮膚壊死,骨片再転位に注意が必要である...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 2; pp. 191 - 193
Main Author 土居, 雄太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
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Summary:踵骨アキレス腱付着部骨折は,骨片による皮膚損傷が問題となり早期手術が必要となることが多いが,固定法に関しては未だ一定のコンセンサスはない.踵骨アキレス腱付着部骨折に対してスクリューとソフトワイヤーを用いて固定を行った3例[SA群]とsuture bridge法で手術を行った4例[SB群]計7例について報告する.荷重開始までに要した期間はSA群では5-6週間,SB群では術後2-3週であった.またSA群では1例に骨折部再転位,もう1例に骨折部遠位での再骨折を認めた.最終的には全例で骨癒合を得られ,皮膚壊死を起こさず経過した.踵骨アキレス腱付着部骨折では,術後の皮膚壊死,骨片再転位に注意が必要である.Suture bridge法は近年報告が増えている手術法で,骨片に直接インプラントを刺入する必要がなく,また骨片直上がlow profileであり有用な方法と考えられる.また,糖尿病を始めとする骨脆弱性疾患が背景にある症例では術後の再転位予防に慎重な後療法と経過観察を必要とする.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.191