Impaction bone grafting法を用いた人工骨頭再置換術の経験

「はじめに」ルースニングを来たし, ボーンストックの重度の減少を伴った人工股関節や人工骨頭の, 大腿骨に対する再置換術は非常に困難である. 骨皮質は菲薄で, セメントレスではステムの固定性は得られない. セメントを用いた再置換術では, 象牙質化した骨皮質とセメントとの間に, 早期のレントゲン透亮像が出現する. このような症例に対して, 1993年, Gieら3)4)は, Slooffら6)の臼蓋側に対するインパクト海綿骨移植法(Impaction bone grafting)を, 大腿骨側に応用し優れた成績を発表した. 我々は, インパクト海綿骨移植法を用いたエクセター人工骨頭再置換術3例を経...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 1; pp. 29 - 34
Main Authors 平井, 伸幸, 坂口, 満, 荻本, 晋作, 金城, 政樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.29

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Summary:「はじめに」ルースニングを来たし, ボーンストックの重度の減少を伴った人工股関節や人工骨頭の, 大腿骨に対する再置換術は非常に困難である. 骨皮質は菲薄で, セメントレスではステムの固定性は得られない. セメントを用いた再置換術では, 象牙質化した骨皮質とセメントとの間に, 早期のレントゲン透亮像が出現する. このような症例に対して, 1993年, Gieら3)4)は, Slooffら6)の臼蓋側に対するインパクト海綿骨移植法(Impaction bone grafting)を, 大腿骨側に応用し優れた成績を発表した. 我々は, インパクト海綿骨移植法を用いたエクセター人工骨頭再置換術3例を経験し, 順調な経過をたどっているので報告する. 症例および方法 1)症例は大腿骨頚部内側骨折に対して他医で行われた人工骨頭置換術後に, 高度の骨欠損を生じた, 3例, 3関節(男1例, 女2例, 平均82歳)である. 2)術式はGieら3)4)の方法に準じ, 凍結同種海綿骨チップによるインパクト海面骨移植法, エクセター大腿骨システム2)によるセメント固定法を用いた. 3)大腿骨のボーンストック減少のgradeは図1に示すごとく, Endo-Klinik分類1)を用いた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.29