急性脊髄硬膜外血腫の治療法の検討
「はじめに」脊髄硬膜外血腫は急激に進行することが多く, 早期診断と治療は患者の機能予後に重大な影響を与える. 今回早期除圧術にて良好な結果を経験した. 文献考察を通じて, 脊髄硬膜外血腫の治療法について検討したので報告する. 症例 患者:58歳, 女性. 主訴:頚部, 肩から右上肢への痛みと痺れ. 現病歴:2003年12月27日午後1時, 誘因なく頚部痛出現し, 徐々に両肩, 背部に広がり, 右上肢のしびれと筋力低下を認め, 体動困難となり, 当院救急入院となった. 既往歴:高血圧を認めるも, 内服歴なし. 入院時所見:意識清明で, 血圧は210/120mmHgと高値を示した. 右半身を中心に...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 1; pp. 31 - 34 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2005
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.54.31 |
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Summary: | 「はじめに」脊髄硬膜外血腫は急激に進行することが多く, 早期診断と治療は患者の機能予後に重大な影響を与える. 今回早期除圧術にて良好な結果を経験した. 文献考察を通じて, 脊髄硬膜外血腫の治療法について検討したので報告する. 症例 患者:58歳, 女性. 主訴:頚部, 肩から右上肢への痛みと痺れ. 現病歴:2003年12月27日午後1時, 誘因なく頚部痛出現し, 徐々に両肩, 背部に広がり, 右上肢のしびれと筋力低下を認め, 体動困難となり, 当院救急入院となった. 既往歴:高血圧を認めるも, 内服歴なし. 入院時所見:意識清明で, 血圧は210/120mmHgと高値を示した. 右半身を中心に運動麻痺を認め, 上肢優位に筋力低下があった. 知覚鈍磨は軽度で腱反射は右上肢で消失, 右下肢で亢進, バビンスキー反射は陰性であった. 膀胱直腸障害はなかった(図1). 血液検査:出血, 凝固異常は認めなかった. 画像所見:脊髄MRIの矢状断像にてC3-C7高位の硬膜背側に, 冠状断像で右寄りにT1強調で等信号, T2強調で軽度高信号を示す紡錘形占拠病変を認めた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.54.31 |