犬咬創による環指化膿性DIP関節炎・骨髄炎に対し腸骨移植を行った1例

【はじめに】手指において動物咬創は骨・関節に達しやすく,感染に注意を要する.犬咬創による化膿性DIP関節炎・骨髄炎に対し腸骨移植を行った1例を報告する.【症例】62歳女性.主訴:右環指痛.現病歴:糖尿病等に対して加療中.右環指DIP関節部を飼い犬に咬まれ受傷.受傷2日後に近医受診し局所麻酔下に切開,抗菌薬投与を行い,受傷後23日目に骨髄炎を疑い当科紹介受診.所見:右環指DIP関節の腫脹,発赤,排膿を認めた.単純X線にてDIP関節破壊像を,MRIにてDIP関節内膿瘍を認めた.病巣掻爬を行い,感染は鎮静化し創閉鎖したが,骨欠損があり不安定であったため,病巣掻爬後25日目に腸骨移植術を行った.移植骨...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 1; pp. 120 - 122
Main Authors 髙田, 真一, 住吉, 康之, 末永, 英慈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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Summary:【はじめに】手指において動物咬創は骨・関節に達しやすく,感染に注意を要する.犬咬創による化膿性DIP関節炎・骨髄炎に対し腸骨移植を行った1例を報告する.【症例】62歳女性.主訴:右環指痛.現病歴:糖尿病等に対して加療中.右環指DIP関節部を飼い犬に咬まれ受傷.受傷2日後に近医受診し局所麻酔下に切開,抗菌薬投与を行い,受傷後23日目に骨髄炎を疑い当科紹介受診.所見:右環指DIP関節の腫脹,発赤,排膿を認めた.単純X線にてDIP関節破壊像を,MRIにてDIP関節内膿瘍を認めた.病巣掻爬を行い,感染は鎮静化し創閉鎖したが,骨欠損があり不安定であったため,病巣掻爬後25日目に腸骨移植術を行った.移植骨は鋼線固定し,骨癒合後抜去した.【考察】徹底的な病巣掻爬を行い感染の鎮静は得られ骨欠損を生じたが,腸骨移植により安定した指長を温存することができ整容的に良好な結果を得ることができた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.120