脊髄造影検査後に硬膜外血腫を来たした1例

硬膜外血腫は腰椎穿刺の合併症の1つであるが,その発生頻度は極めて低い.今回我々は,脊髄造影検査後に硬膜外血腫を生じた1例を経験したので報告する.症例は70歳男性,右下肢痛を主訴に近医を受診した.MRIにてL5/S1右外側ヘルニアが疑われたため,当科紹介受診となった.脳梗塞の既往があり,クロピドグレルを内服していた.脊柱管内病変の鑑別のため,脊髄造影検査を施行した.穿刺は22G針を用い,L2/3及びL3/4から複数回穿刺した.検査後より,左下肢痛が出現した.翌日にMRIを施行したところ,硬膜外血腫の所見を認め,症状の原因と考えられた.運動障害や膀胱直腸障害は認めなかったため,経過観察とした.脊髄...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 2; pp. 325 - 327
Main Authors 末次, 弘征, 樽角, 清志, 土井, 俊郎, 東野, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.325

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Summary:硬膜外血腫は腰椎穿刺の合併症の1つであるが,その発生頻度は極めて低い.今回我々は,脊髄造影検査後に硬膜外血腫を生じた1例を経験したので報告する.症例は70歳男性,右下肢痛を主訴に近医を受診した.MRIにてL5/S1右外側ヘルニアが疑われたため,当科紹介受診となった.脳梗塞の既往があり,クロピドグレルを内服していた.脊柱管内病変の鑑別のため,脊髄造影検査を施行した.穿刺は22G針を用い,L2/3及びL3/4から複数回穿刺した.検査後より,左下肢痛が出現した.翌日にMRIを施行したところ,硬膜外血腫の所見を認め,症状の原因と考えられた.運動障害や膀胱直腸障害は認めなかったため,経過観察とした.脊髄造影検査後6日目には左下肢痛は消失した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.325