上腕三頭筋腱皮下断裂に対しKrackow縫合を行い術後早期運動療法を施行した1例
腱断裂に対しては術後早期運動療法がその修復に有利であることが報告されている.今回,上腕三頭筋腱皮下断裂に対しKrackow縫合を行い,術翌日から運動療法を行った1例を経験したので報告する.症例は29歳の男性.バイクで転倒し,左肘を地面につき受傷した.肘頭部先端より近位に陥凹を触れ,単純X線およびCTにて肘頭裂離骨片を伴う上腕三頭筋腱皮下断裂を認めた.受傷2日目に手術を施行した.断裂した上腕三頭筋腱にfiber wire®で2組のKrackow縫合を行い,pull-out法にて上腕三頭筋腱を裂離骨片ごと肘頭部に縫着した.術後は肘関節軽度屈曲位にてシーネ固定した.術翌日より自他動屈曲および他動伸展...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 3; pp. 487 - 490 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
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Subjects | |
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Summary: | 腱断裂に対しては術後早期運動療法がその修復に有利であることが報告されている.今回,上腕三頭筋腱皮下断裂に対しKrackow縫合を行い,術翌日から運動療法を行った1例を経験したので報告する.症例は29歳の男性.バイクで転倒し,左肘を地面につき受傷した.肘頭部先端より近位に陥凹を触れ,単純X線およびCTにて肘頭裂離骨片を伴う上腕三頭筋腱皮下断裂を認めた.受傷2日目に手術を施行した.断裂した上腕三頭筋腱にfiber wire®で2組のKrackow縫合を行い,pull-out法にて上腕三頭筋腱を裂離骨片ごと肘頭部に縫着した.術後は肘関節軽度屈曲位にてシーネ固定した.術翌日より自他動屈曲および他動伸展を許可した.術後10日目よりシーネを除去し,自動伸展を許可した.術後8ヶ月の最終観察時,可動域は肘屈曲135°,伸展-5°と良好であり,裂離骨片も転位なく骨癒合し,上腕三頭筋腱の緊張も良好であった.Krackow縫合は上腕三頭筋腱皮下断裂に対し,術後早期運動療法を可能にする有用な方法であると考えた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.487 |