集約的治療により救命し得た劇症型壊死性筋膜炎の1例

【はじめに】子宮頚癌術後放射線化学療法後の中年女性に発症した劇症型溶血性連鎖球菌感染症の1例を経験したので報告する.【症例】58歳女性.発熱と下痢を主訴に近医を受診.その24時間後に左大腿内側に腫脹を認め,39時間後に歩行困難となったため当院産婦人科を受診.左大腿内側の皮膚所見は淡い不定形の紫斑のみであったが,WBC 1600/μl,CRP 47.0mg/dl,多臓器障害を認め,CT画像より壊死性筋膜炎を疑われて当科紹介となった.当科診察中,ショックバイタルとなり,救命医による蘇生処置が行われた後,当科にてデブリードマンを行った.しかし,数時間後には皮膚壊死が左大腿外側や下腿,左側胸部にまで及...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 4; pp. 825 - 828
Main Authors 尾﨑, 誠, 田口, 憲士, 宮本, 俊之, 内山, 迪子, 島内, 誠一郎, 福島, 達也, 宮本, 力
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2013
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.62.825

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Summary:【はじめに】子宮頚癌術後放射線化学療法後の中年女性に発症した劇症型溶血性連鎖球菌感染症の1例を経験したので報告する.【症例】58歳女性.発熱と下痢を主訴に近医を受診.その24時間後に左大腿内側に腫脹を認め,39時間後に歩行困難となったため当院産婦人科を受診.左大腿内側の皮膚所見は淡い不定形の紫斑のみであったが,WBC 1600/μl,CRP 47.0mg/dl,多臓器障害を認め,CT画像より壊死性筋膜炎を疑われて当科紹介となった.当科診察中,ショックバイタルとなり,救命医による蘇生処置が行われた後,当科にてデブリードマンを行った.しかし,数時間後には皮膚壊死が左大腿外側や下腿,左側胸部にまで及んだ.感染症内科にてA群β-溶血性連鎖球菌を同定.Streptococcal toxin shock syndromeとして左股関節離断術,また外科と協力して広範なデブリードマン行い,救命しえた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.62.825