慢性腎臓病におけるメチルアルギニンを介した内皮機能障害

「はじめに」慢性腎臓病(chronic kidney disease, CKD)は, 腎障害を示す所見や腎機能の低下が持続した状態を指す. 1,2)CKDは, 進行すると透析治療や移植が必要になる末期腎不全へと進展するため, CKDの早期発見及び早期治療が求められている. さらにCKDの進行は, 末期腎不全のみならず, 心筋梗塞や脳卒中などの心血管系疾患(cardiovascular disease, CVD)発症への危険因子であることが示されている. 1,2)このCKDとCVDを関連付ける原因の1つとして, 血管内皮機能障害が考えられている. 血管内皮細胞は, 血管を拡張し血圧を下げる一酸化...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 132; no. 4; pp. 443 - 448
Main Author 木村, 和哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.04.2012
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.132.443

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Summary:「はじめに」慢性腎臓病(chronic kidney disease, CKD)は, 腎障害を示す所見や腎機能の低下が持続した状態を指す. 1,2)CKDは, 進行すると透析治療や移植が必要になる末期腎不全へと進展するため, CKDの早期発見及び早期治療が求められている. さらにCKDの進行は, 末期腎不全のみならず, 心筋梗塞や脳卒中などの心血管系疾患(cardiovascular disease, CVD)発症への危険因子であることが示されている. 1,2)このCKDとCVDを関連付ける原因の1つとして, 血管内皮機能障害が考えられている. 血管内皮細胞は, 血管を拡張し血圧を下げる一酸化窒素(nitric oxygen, NO)を産生する. このNOの合成酵素を阻害する内因性物質に, 非対称性ジメチルアルギニン(asymmetric NG, NG-dimethylarginine, ADMA)がある. 3)
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.132.443