Bosworth型足関節脱臼骨折の1例

Bosworth型足関節脱臼骨折は腓骨の近位骨片が腓骨切痕から後方に逸脱し,脛骨後面に固定された稀な外傷である.我々は当外傷を経験したので,特に受傷機転の点から若干の考察を踏まえ報告する.症例は41歳女性.ぬれた地面に足を取られ,外旋ストレスが加わり転倒受傷.近医受診し,足関節脱臼骨折の診断で当院へ紹介.単純X線およびCTにて,Bosworth型足関節脱臼骨折と診断した.受傷当日に徒手整復を試みたが不能であったため,観血的整復と創外固定を行った.受傷後7日目に内固定術を施行.内固定5週後に脛腓間スクリューを抜去し,荷重を開始,9週で全荷重となり,独歩退院となった.術後8ヶ月の最終観察時,足関節...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 227 - 230
Main Authors 石渕, 晃人, 石倉, 透, 横井, 脩, 古子, 剛, 福原, 志東, 有田, 忍, 赤星, 正二郎, 馬場, 賢治, 沖本, 信和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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Summary:Bosworth型足関節脱臼骨折は腓骨の近位骨片が腓骨切痕から後方に逸脱し,脛骨後面に固定された稀な外傷である.我々は当外傷を経験したので,特に受傷機転の点から若干の考察を踏まえ報告する.症例は41歳女性.ぬれた地面に足を取られ,外旋ストレスが加わり転倒受傷.近医受診し,足関節脱臼骨折の診断で当院へ紹介.単純X線およびCTにて,Bosworth型足関節脱臼骨折と診断した.受傷当日に徒手整復を試みたが不能であったため,観血的整復と創外固定を行った.受傷後7日目に内固定術を施行.内固定5週後に脛腓間スクリューを抜去し,荷重を開始,9週で全荷重となり,独歩退院となった.術後8ヶ月の最終観察時,足関節可動域に左右差なく,経過良好である.当外傷は単純X線でLauge-Hansen分類のSupination-External Rotation(SER)型と酷似し見誤られやすい.正しい診断にはCTが有用である.受傷機転はSERと報告した文献もあるが,本症例の受傷機転は,患者の訴えや過去の報告例を鑑みて,足関節が固定された状態での強い外旋力であると考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.227