小児基節骨頚部変形治癒骨折の小経験
【はじめに】小児基節骨頚部変形治癒骨折に対してSubcondylar fossa reconstruction(以下SFR)を行った2例を報告する.【症例1】8歳,男性,右利き.ドッチボールにて右小指を受傷.受傷後約4週目に当科を紹介受診した.【症例2】12歳,男性,右利き.自転車走行中に電柱に激突し受傷.受傷後約3ヶ月目に当科を紹介受診した.【経過】両例とも,小指PIP関節の屈曲制限を認めており,単純X線では基節骨骨頭が背側へ転位・癒合していた.特に症例2では尺側転位も認めていた.ともにSimmondsらの方法に準じて掌側アプローチより掌側骨棘を切除しつつ骨頭直下のfossaを形成した.後療...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 4; pp. 776 - 780 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.68.776 |
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Summary: | 【はじめに】小児基節骨頚部変形治癒骨折に対してSubcondylar fossa reconstruction(以下SFR)を行った2例を報告する.【症例1】8歳,男性,右利き.ドッチボールにて右小指を受傷.受傷後約4週目に当科を紹介受診した.【症例2】12歳,男性,右利き.自転車走行中に電柱に激突し受傷.受傷後約3ヶ月目に当科を紹介受診した.【経過】両例とも,小指PIP関節の屈曲制限を認めており,単純X線では基節骨骨頭が背側へ転位・癒合していた.特に症例2では尺側転位も認めていた.ともにSimmondsらの方法に準じて掌側アプローチより掌側骨棘を切除しつつ骨頭直下のfossaを形成した.後療法は外固定なく術翌日より積極的に可動域訓練を開始した.経時的には自家矯正も加わり,それぞれ最終観察期間は異なるものの,両例ともに健側とほぼ同等の可動域,握力まで回復した.【考察】小指基節骨頚部骨折背側転位型の陳旧例に対するSFR法は有用であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.68.776 |