両側非定型大腿骨骨折後に生じた両大腿骨疲労骨折の1例

【目的】両大腿骨非定型骨折後に両大腿骨疲労骨折を生じた1例を経験したので報告する.【症例】71歳女性,ビスフォスフォネートの内服歴あり.特に誘因なく左大腿痛が出現しX線で大腿骨転子下不全骨折を認め前医で保存治療を行った.1年後右大腿痛出現しMRIで転子部から小転子下に骨折による異常信号を認め手術加療を行った.左大腿骨転子下骨折の保存治療から2年後,左大腿痛再燃しMRIで近位骨幹部に輝度変化を認め再度保存治療を行ったが,2か月後歩行中突然左大腿に激痛が生じX線で左大腿骨骨幹部骨折を認め手術加療を施行.また右大腿骨手術から5年後インプラント遠位端で不全骨折を認め当科紹介となり,long femor...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 779 - 783
Main Authors 佐田, 潔, 宮本, 俊之, 千葉, 恒, 諸岡, 聡, 白石, 公太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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Summary:【目的】両大腿骨非定型骨折後に両大腿骨疲労骨折を生じた1例を経験したので報告する.【症例】71歳女性,ビスフォスフォネートの内服歴あり.特に誘因なく左大腿痛が出現しX線で大腿骨転子下不全骨折を認め前医で保存治療を行った.1年後右大腿痛出現しMRIで転子部から小転子下に骨折による異常信号を認め手術加療を行った.左大腿骨転子下骨折の保存治療から2年後,左大腿痛再燃しMRIで近位骨幹部に輝度変化を認め再度保存治療を行ったが,2か月後歩行中突然左大腿に激痛が生じX線で左大腿骨骨幹部骨折を認め手術加療を施行.また右大腿骨手術から5年後インプラント遠位端で不全骨折を認め当科紹介となり,long femoral nailを用いて手術を行った.【考察】本症例では非定型骨折後に大腿骨の外弯が進み疲労骨折が生じたと考えられ,ビスフォスフォネートの中止とlong femoral nailを用いた手術が必要であると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.779