上腕骨悪性腫瘍に対する腫瘍用人工肘関節置換術の治療成績の検討
【はじめに】上腕骨悪性腫瘍に対して腫瘍用人工肘関節を用いた再建術の治療成績について検討した.【対象と方法】2003年4月以降,当科で悪性腫瘍4例に対して広範切除後にHMRS(Stryker社)を用いて再建した.男性2例,女性2例で平均年齢60歳(58~62歳),観察期間は平均1年6か月(11か月~2年11か月)であった.乳癌骨転移,甲状腺癌骨転移に対して上腕骨遠位端置換,脱分化型軟骨肉腫,骨肉腫に対して上腕骨全置換を施行した.術後関節可動域,患肢機能評価(MSTS),合併症,転帰について検討した.【結果】術後の肘関節平均可動域は屈曲109°,伸展-8°であった.MSTSは平均64%であり,合併...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 3; pp. 643 - 648 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.63.643 |
Cover
Summary: | 【はじめに】上腕骨悪性腫瘍に対して腫瘍用人工肘関節を用いた再建術の治療成績について検討した.【対象と方法】2003年4月以降,当科で悪性腫瘍4例に対して広範切除後にHMRS(Stryker社)を用いて再建した.男性2例,女性2例で平均年齢60歳(58~62歳),観察期間は平均1年6か月(11か月~2年11か月)であった.乳癌骨転移,甲状腺癌骨転移に対して上腕骨遠位端置換,脱分化型軟骨肉腫,骨肉腫に対して上腕骨全置換を施行した.術後関節可動域,患肢機能評価(MSTS),合併症,転帰について検討した.【結果】術後の肘関節平均可動域は屈曲109°,伸展-8°であった.MSTSは平均64%であり,合併症として脱分化型軟骨肉腫の1例で深部感染,局所再発を認め肩甲帯離断を行った.【考察】自験例では術後患肢機能は諸家の報告と大きな差はなかった.腫瘍用人工肘関節は局所制御率が高く,良好な上肢機能が得られ有用な再建法の1つである. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.63.643 |