サッカーで発症した小児大腿骨小転子裂離骨折の1例

比較的稀な小児大転子裂離骨折の1例を経験したので報告する.症例は12歳,男性.サッカーボールを蹴った際,突然強い左股関節痛が出現し歩行困難となり,受傷より2日目に当院クリニックを受診した.左スカルパ三角に強い圧痛を認め,左股関節は疼痛による可動域制限を認めた.単純X線画像にて左大腿骨小転子は骨端線が離開し,中枢側への転位を認めた.左大腿骨小転子裂離骨折の診断にて保存的加療を開始した.治療は,手術や牽引等は行わず対症療法のみとし,受傷後3週で歩行時痛は消失,受傷後6週でジョギングを開始,受傷後8週でサッカーへ復帰した.治療に関し既存の報告では,手術および保存的治療のいずれも良好な結果が報告されて...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 1; pp. 187 - 189
Main Authors 熊野, 貴史, 藤原, 明, 花田, 弘文, 山口, 史彦, 塩川, 晃章, 原, 道也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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Summary:比較的稀な小児大転子裂離骨折の1例を経験したので報告する.症例は12歳,男性.サッカーボールを蹴った際,突然強い左股関節痛が出現し歩行困難となり,受傷より2日目に当院クリニックを受診した.左スカルパ三角に強い圧痛を認め,左股関節は疼痛による可動域制限を認めた.単純X線画像にて左大腿骨小転子は骨端線が離開し,中枢側への転位を認めた.左大腿骨小転子裂離骨折の診断にて保存的加療を開始した.治療は,手術や牽引等は行わず対症療法のみとし,受傷後3週で歩行時痛は消失,受傷後6週でジョギングを開始,受傷後8週でサッカーへ復帰した.治療に関し既存の報告では,手術および保存的治療のいずれも良好な結果が報告されているが,そのほとんどが保存的治療を選択している.本症例は対症療法のみで良好な結果を得ることができた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.187