広範囲胸椎後縦靭帯骨化症に対し後方除圧固定術を行った2症例

胸椎後縦靭帯骨化症にたいし後方除圧固定を行い術後短期成績が良好な2症例を報告する.症例1.65歳女性.右下肢のしびれで発症し2ヵ月後に歩行不能となった.下肢の深部腱反射亢進と病的反射の出現および筋力低下をみた.T1/2,T4/5レベルにOPLLをみとめ後方進入脊髄前方除圧術(大塚法)を併用し手術を行った.術後下肢麻痺は改善し2本杖で歩行している.症例2.54歳女性.下肢のしびれで発症し1年後に歩行不能となった.下肢の深部腱反射亢進および筋力低下をみた.T5-10にかけてOPLLおよびOYLをみとめたためT510後方除圧固定術を行った.術後下肢筋麻痺は改善し1本杖で歩行している.胸椎後縦靭帯骨化...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 1; pp. 28 - 31
Main Authors 阿久根, 広宣, 井ノ口, 崇, 進, 悟史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.28

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Summary:胸椎後縦靭帯骨化症にたいし後方除圧固定を行い術後短期成績が良好な2症例を報告する.症例1.65歳女性.右下肢のしびれで発症し2ヵ月後に歩行不能となった.下肢の深部腱反射亢進と病的反射の出現および筋力低下をみた.T1/2,T4/5レベルにOPLLをみとめ後方進入脊髄前方除圧術(大塚法)を併用し手術を行った.術後下肢麻痺は改善し2本杖で歩行している.症例2.54歳女性.下肢のしびれで発症し1年後に歩行不能となった.下肢の深部腱反射亢進および筋力低下をみた.T5-10にかけてOPLLおよびOYLをみとめたためT510後方除圧固定術を行った.術後下肢筋麻痺は改善し1本杖で歩行している.胸椎後縦靭帯骨化症に対する後方法は手術侵襲や広範な病変への対処などの点で優れている.今回の症例において胸椎後縦靭帯骨化症に対する後方除圧固定の術後短期成績は良好であった.後彎変形の進行など慎重な経過観察が必要であると思われる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.28