80歳以上のセメントレス人工股関節全置換術

「はじめに」高齢化社会を迎え, 人工股関節全置換術(以下THA)を受ける患者も高齢化している. 高齢者では強固な初期固定と早期荷重が求められるために, 高齢者においてはセメント固定が一般的である. しかしセメントを使用しても弛みの原因になるという報告1)や, セメントの循環動態への悪影響などを考慮するとセメントレスで行ったほうがいいという意見もある. さらに最近では高齢者においてもセメントレスTHAで安定した成績が得られることが散見される. 当科では全例セメントレスTHAを施行し, 短期成績ではあるが良好な初期固定を獲得でき, 術後早期荷重を行っているので報告する. 対象および方法 1999年...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 1; pp. 35 - 38
Main Authors 古賀, 俊光, 佛淵, 孝夫, 前田, 和政, 森本, 忠嗣, 堤, 幸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.35

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Summary:「はじめに」高齢化社会を迎え, 人工股関節全置換術(以下THA)を受ける患者も高齢化している. 高齢者では強固な初期固定と早期荷重が求められるために, 高齢者においてはセメント固定が一般的である. しかしセメントを使用しても弛みの原因になるという報告1)や, セメントの循環動態への悪影響などを考慮するとセメントレスで行ったほうがいいという意見もある. さらに最近では高齢者においてもセメントレスTHAで安定した成績が得られることが散見される. 当科では全例セメントレスTHAを施行し, 短期成績ではあるが良好な初期固定を獲得でき, 術後早期荷重を行っているので報告する. 対象および方法 1999年3月-2001年12月のあいだに, 80歳以上の高齢者に対しセメントレスTHAを施行した36例38関節である. 性別は女性32例, 男性4例で, 手術時年齢は80-95(平均84.0)歳であった. 術前診断は変形性股関節症(以下OA)21関節, 急速破壊型股関節症(以下RDC)5関節, 骨折後の関節症9関節, 大腿骨頭壊死3関節であった. 手術は, primary THAが35関節, revision THAが3関節で, 経過観察期間は6か月から3年(平均15か月)であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.35