成人脛骨粗面骨折の1例

脛骨粗面骨折は比較的稀な骨折であるが,骨端線が完全に閉鎖していない思春期に好発すると言われている.今回著者らは成人に生じた脛骨粗面骨折症例を経験したので報告する.症例は69歳男性.約2 mの高さの木に登り,剪定をしていて転落.転落した際に地面で左膝,左下腿を打撲し受傷.翌日,徐々に左膝の腫脹,皮下出血が増悪したため当院初診となった.X線,CTで左脛骨粗面骨折を認め,近位への転位,粉砕を認め,受傷5日目に径4.0 mmの中空ネジとFiber wireを用いて観血的骨接合術を行った.術後は膝関節伸展位で外固定を行い,術翌日から荷重を許可した.膝関節の可動域訓練は術後3週から開始した.術後5か月で膝...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 4; pp. 677 - 680
Main Authors 田村, 裕昭, 川嶌, 眞人, 本山, 達男, 渡邊, 祐介, 嵐, 智哉, 川嶌, 眞之, 古江, 幸博, 後藤, 剛, 永芳, 郁文, 佐々木, 聡明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.677

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Summary:脛骨粗面骨折は比較的稀な骨折であるが,骨端線が完全に閉鎖していない思春期に好発すると言われている.今回著者らは成人に生じた脛骨粗面骨折症例を経験したので報告する.症例は69歳男性.約2 mの高さの木に登り,剪定をしていて転落.転落した際に地面で左膝,左下腿を打撲し受傷.翌日,徐々に左膝の腫脹,皮下出血が増悪したため当院初診となった.X線,CTで左脛骨粗面骨折を認め,近位への転位,粉砕を認め,受傷5日目に径4.0 mmの中空ネジとFiber wireを用いて観血的骨接合術を行った.術後は膝関節伸展位で外固定を行い,術翌日から荷重を許可した.膝関節の可動域訓練は術後3週から開始した.術後5か月で膝関節可動域は-5°/145°で疼痛などの愁訴はない.成人に稀な脛骨粗面骨折は骨端線閉鎖前の骨折と比べ骨の脆弱性,直達外力などにより骨折部が粉砕している可能性が高く,補強手術まで行うことが重要と考えられる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.677