小指基節骨骨折術後深指屈筋腱が骨折部に嵌入し自動屈曲障害を認めた1例
症例)57才女性.左小指基節骨骨折を認め転位があり,前医で徒手整復後に経皮的鋼線刺入固定が行われた.術後4週で鋼線抜去後,他動屈曲は可能であるが自動屈曲が不能のため術後4か月で当科紹介となった.屈筋腱の癒着を考え,局所麻酔下に自動運動を行わせるWide-Awake Surgeryによる腱剥離術を施行した.骨折部に深指屈筋腱が嵌入しており,屈筋腱と腱鞘は広範に癒着を認め剥離を行った.Wide-Awake Surgeryは術中の自動運動が確認でき,腱剥離術において剥離範囲の決定および腱の滑走の確認に有用と考えられた.術後早期に自動屈曲障害を認める際は非常に稀ではあるが屈筋腱の嵌入の可能性も考慮し,...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 3; pp. 667 - 669 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.66.667 |
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Summary: | 症例)57才女性.左小指基節骨骨折を認め転位があり,前医で徒手整復後に経皮的鋼線刺入固定が行われた.術後4週で鋼線抜去後,他動屈曲は可能であるが自動屈曲が不能のため術後4か月で当科紹介となった.屈筋腱の癒着を考え,局所麻酔下に自動運動を行わせるWide-Awake Surgeryによる腱剥離術を施行した.骨折部に深指屈筋腱が嵌入しており,屈筋腱と腱鞘は広範に癒着を認め剥離を行った.Wide-Awake Surgeryは術中の自動運動が確認でき,腱剥離術において剥離範囲の決定および腱の滑走の確認に有用と考えられた.術後早期に自動屈曲障害を認める際は非常に稀ではあるが屈筋腱の嵌入の可能性も考慮し,早期対処する必要があり,整復阻害因子の除去と骨折部の観血的整復が重要である. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.66.667 |