大腿筋膜移植を行ったアキレス腱付着部再断裂の1例

アキレス腱付着部再断裂に対して大腿筋膜を移植した症例を経験したので報告する.【症例】60歳男性.段差でつまずいて転倒し当院紹介.アキレス腱付着部剥離骨折と診断し,Krackow法とsuture anchorで修復した.術後6ヵ月頃から痛みが出現し,MRIで修復腱に不連続部を認めたが,症状が軽度であり経過観察としていた.しかし痛みが増悪し,術後10ヵ月のMRIで不連続部が拡大したため再手術を行った.手術は腱断端の質が悪く引き出しが困難であったため,大転子直上で大腿筋膜を採取して移植腱を作成した.腱の断端と移植腱を縫合後,踵骨フットプリントにsuture bridge法で固定した.術後6週から装具...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 2; pp. 226 - 228
Main Authors 新城, 安原, 諸岡, 孝明, 木村, 岳弘, 諸岡, 正明, 薄, 陽祐, 石原, 康平, 増田, 祥男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.226

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Summary:アキレス腱付着部再断裂に対して大腿筋膜を移植した症例を経験したので報告する.【症例】60歳男性.段差でつまずいて転倒し当院紹介.アキレス腱付着部剥離骨折と診断し,Krackow法とsuture anchorで修復した.術後6ヵ月頃から痛みが出現し,MRIで修復腱に不連続部を認めたが,症状が軽度であり経過観察としていた.しかし痛みが増悪し,術後10ヵ月のMRIで不連続部が拡大したため再手術を行った.手術は腱断端の質が悪く引き出しが困難であったため,大転子直上で大腿筋膜を採取して移植腱を作成した.腱の断端と移植腱を縫合後,踵骨フットプリントにsuture bridge法で固定した.術後6週から装具装着下に歩行訓練を開始し,術後4ヵ月のMRIで再断裂は認めず,術後6ヵ月時点で臨床症状は改善している.【考察】アキレス腱の補填材料として多くの報告が散見されるが,骨付着部へ広く面で圧着できる上に採取が簡便な大腿筋膜を採用した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.226