軟部肉腫に対する化学療法における新しい制吐療法の有効性
【はじめに】当科では軟部肉腫に対してアドリアマイシン+イフォスファミド(AI)療法を行っている.制吐薬適正使用ガイドラインの有効性について検討し報告する.【対象と方法】2010年1月から2012年8月に当科でAI療法を9名(男性5名,女性4名)の患者に行った.平均年齢は42.6(25-64)歳.診断は滑膜肉腫6例,粘液型脂肪肉腫,弧在性線維性腫瘍,胞巣状軟部肉腫がそれぞれ1例であった.これらの症例をガイドライン採用前群(PG群)とガイドライン採用群(G群)の2群に分け,嘔気または嘔吐を訴えた日数及び発現時期を調査した.【結果】嘔気有りの日数は平均PG群3.4(0-9)日,G群3.5(0-8)日...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 1; pp. 149 - 151 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2014
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.63.149 |
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Summary: | 【はじめに】当科では軟部肉腫に対してアドリアマイシン+イフォスファミド(AI)療法を行っている.制吐薬適正使用ガイドラインの有効性について検討し報告する.【対象と方法】2010年1月から2012年8月に当科でAI療法を9名(男性5名,女性4名)の患者に行った.平均年齢は42.6(25-64)歳.診断は滑膜肉腫6例,粘液型脂肪肉腫,弧在性線維性腫瘍,胞巣状軟部肉腫がそれぞれ1例であった.これらの症例をガイドライン採用前群(PG群)とガイドライン採用群(G群)の2群に分け,嘔気または嘔吐を訴えた日数及び発現時期を調査した.【結果】嘔気有りの日数は平均PG群3.4(0-9)日,G群3.5(0-8)日,嘔吐有りの日数は平均PG群0.83(0-4)日,G群0.27(0-2)日であった.嘔吐はPG群では1-8日目,G群では5-6日目でみられた.【考察】ガイドラインに沿った制吐療法は,患者の苦痛の緩和に有用である. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.63.149 |